ピルはニキビを撃退する救世主

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ピルはニキビを撃退する救世主

ピル(経口避妊薬)といえば、やはり「避妊薬」ですから、まっさきに思い浮かべる利用方法は「避妊」でしょう。ピルを服用している多くの女性は、望まない妊娠を避けるための手段としてピルを信頼しています。しかし、他の用途でピルを使っている女性も実は多くいます。そう、ピルは避妊だけに有効な薬ではないのです。
 
ピルを服用している全女性の58%が、避妊以外の目的でピルを使っているとの調査もあります。ピルは避妊の他、月経困難症の軽減に効果的なことはよく知られており、日本でもこの症状で処方されるピルについては保険の対象となっています。
 
もう一つ、ピルが大きな効果を発揮するのが「ニキビ」の治療です。ピルは多くの女性の悩み「お肌のトラブル」を解決してくれます。ピルにはエストロゲンという女性ホルモンが含まれていて、スムースな肌を取り戻すために働いてくれます。日本でも、ニキビの治療にピルを使うことは、既に一般的になっています。しかし、まだ厚生労働省から「ニキビ治療薬」として認可されているピルがないため、残念ながら保険ではカバーできない治療となります。
 
ピルを常時服用して、ニキビが改善した経験を持つ女性でも、ピルでニキビがよくなるメカニズムを知らない人は多いのではないでしょうか。ピルがどのようにお肌に作用するのか、ちょっと見てみましょう。
 

多くの女性がニキビ治療のためだけにピルを服用している

アメリカの皮膚科学会は、2014年に発表したジャーナルで、
 
「皮膚科医は、抗生物質と同じように、肌の状態を改善する目的でピルを処方している」
 
と報告しています。
 
これは避妊のために何年もピルを使用している女性にとっては、何の驚きもないことです。実際にピルを使用している女性の1割近くは、アクティブにセックスをしているわけではなく、26%が主にニキビの治療を目的としていました。
 
一般的に皮膚科医は、他のすべての治療法で結果が出ない限り、ピルをニキビの治療薬としてすすめることはありませんでした。患者がピルの処方を希望する場合、患者はピルを用いての治療に、どのようなリスクがあるのか理解する必要があります。
 
多くの女性がニキビの有効な治療法を見つけられず、ピルに頼ろうとしています。ピルを使ってニキビをきれいにすることは、既にかなり一般的であり、実際、ピルには相当な治療効果があります。
 
アメリカにはニキビ治療用として認可されたピルがある
ピルでニキビが良くなる。この関係については否定できないところですが、日本ではニキビ治療薬として認可されているピルはありません。
 
しかし、日本でも婦人科などで、事実としてニキビ治療にピルが利用されています。ピルの投与を開始する前に、問診や血液検査がありますので、心配はいりません。認可されていないと言っても、その治療目的では認可されていないというだけです。アメリカにはニキビ治療用として認可が下りているピルがいくつかあります。このようなピルは、ニキビ治療に適した配合になっています。
 
 
男性ホルモン「テストステロン」を減らし、ニキビを撃退
ピルは、男性ホルモンのレベルを低下させます。その男性ホルモン「テストステロン」は、皮脂を生成することで知られています。皮脂は通常、毛穴から排出されますが、キャパシティーを超えると詰まりが生じ、その場所で炎症を起こしてニキビになります。そのため、男性ホルモンを減らすことは、ニキビや肌の改善につながります。
 
すべてのピルがニキビに有効なわけではない
男性ホルモンの量を減らしてニキビを撃退するピルですが、ピルの種類によっては、体内の男性ホルモン量を増やしてしまうものもあります。このようなピルはニキビを悪化させる可能性があります。
 
ピルには「エストロゲン」「プロゲステロン(プロゲストーゲン)」という2種類の女性ホルモンが主成分として入っています。エストロゲンは、皮脂の分泌を抑える、いわばこのニキビ治療の主役です。もう一つのプロゲステロンが実はちょっと厄介。プロゲステロンは女性ホルモンでありながら、皮脂の分泌を促進する作用を持っているのです。そのため、ニキビ治療用に、このプロゲステロンの量や配合を調整しているピルがあります。
 
長い目で見れば、ニキビ治療にはピルの方が抗生物質より効果がある
アメリカで発表された2014年の研究では、ピルは抗生物質と同様に、ニキビ治療の効果があるとされています。さらにこの研究では、ピルはニキビ治療における第一の手段として、抗生物質に勝るかもしれないとも報告されています。
 
このとき行われた対照実験では、3ヵ月後には抗生物質がより効果的だったものの、6ヶ月後にはピルの方がより効果を発揮していたとのこと。ピルはしつこいニキビを治療するもっとも有効な手段であり、さらに避妊も考えているのであれば、これ以上の方法は現在のところありません。
 
ピルを止めたらニキビはまた悪化する?
ピルを服用している間は、ホルモンバランスが安定していることから、体質的にニキビができにくい状態になっています。しかし、ピルを止めることでニキビが再発することは、十分に考えられます。ホルモンバランスが、ピルを飲み始める前の状態に戻ってしまうからです。
 
そのため、ピルによるニキビ治療は、このニキビができやすい体質を変えるため、継続的に行う必要があります。また、日常生活の面でもニキビができにくい環境作りをする必要があります。ニキビを悪化させる要因の排除です。
 
たとえば、ストレスは男性ホルモンの分泌を促します。ご説明したとおり、この男性ホルモンが皮脂の分泌を促進。分泌が過多になることで毛穴に詰まり、一部で炎症を起こすことでニキビになります。ストレスをためないライフスタイルを、自分なりに考えてみましょう。
 
また、紫外線は肌にとって大敵です。帽子や日傘、日焼け止めなどを利用して、紫外線ケアをしましょう。
 
さらに、喫煙は肌にとっていいことは何もありません。タバコ(1箱)を吸うことで、体内にあるビタミンCの約3分の1が失われます。ビタミンCは肌のうるおいのために欠かせない成分です。
 
食事の面でもできることはあります。肌の炎症を抑えるためには、あまりヘビーな食事はとらず、低GI値の食品を中心にバランス良く摂るようこころがけましょう。
 
ピルにはリスクがあることも忘れないで
ピルの摂取は女性にとって多くのベネフィットがあります。避妊、生理痛の軽減、そしてニキビの改善。これらのベネフィットは本当にすばらしいものですが、ピルの服用を始める前に、ピルが持つリスクを必ず知っておきましょう。
 
ピルには、可能性はかなり低いものの重大なリスクがあります。ピルを服用している女性は、そうでない人よりも、血栓症になる確率が高いといわれています。しかし、この確率ですが、30歳の女性の内、2万人に1人が発症するというものです。ピルの服用を始める前には、医師の問診と、血液検査が通常行われます。この問診と検査で、ピルを服用した場合、重大な結果をもたらす可能性があるかどうかを医師が判断してくれます。そのため、過大に心配することはありません。ただピルにはこのようなリスクがあるということは忘れないでください。
 
ピルは女性の健康、そして日常生活の質を向上させてくれる薬です。その目に見える効果もうれしいものばかりです。ある程度の期間で肌はきれいになり、ニキビが消えれば笑顔も増えることでしょう。

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